
無効等確認の訴えと不作為の違法確認の訴えは、取消訴訟以外の主要な抗告訴訟です。受験生が落とすのは、①無効等確認に「取消訴訟と同じ出訴期間がある」と誤る、②不作為の違法確認を「申請していない第三者でも起こせる」と誤る、の2点。取消訴訟との違いを軸に、○×で整理します。
この記事の要点
- 無効等確認の訴え(3条4項)=処分の無効等を確認。出訴期間の制限がない(重大かつ明白な瑕疵)。原告適格には補充性あり(36条)
- 不作為の違法確認の訴え(3条5項)=申請への不作為の違法を確認。原告適格は申請をした者に限る(37条)
- どちらも「取消訴訟」ではないので、取消訴訟との違い(出訴期間・原告適格)が問われる
無効等確認の訴え(3条4項)
処分・裁決の無効等の確認を求める訴えです。処分に重大かつ明白な瑕疵があって無効な場合などに用います。
- 取消訴訟との違い:無効な処分は初めから効力がないため、出訴期間の制限がありません(取消訴訟のような「6か月」の縛りがない)。
- 原告適格(36条):①当該処分に続く処分により損害を受けるおそれのある者など、②その他無効等の確認を求めるにつき法律上の利益を有する者。かつ、現在の法律関係に関する訴えによって目的を達することができないものに限られます(補充性)。
不作為の違法確認の訴え(3条5項)
行政庁が、申請に対し相当の期間内に何らかの処分・裁決をすべきであるにもかかわらず、これをしないことについて、その違法の確認を求める訴えです。
- 原告適格(37条):処分・裁決について申請をした者に限られます。申請していない第三者は提起できません。
- 判決の効力:違法が確認されるだけで、「どんな処分をすべきか」までは命じられません。そのため、実効性を確保するには、申請型の義務付けの訴えと併合して提起するのが原則です。
ソクのひとこと
○×一問一答で総点検
○か✕を選ぶと、正誤と解説が表示されます。まずは自分で答えてみましょう(アウトプット練習)。
無効等確認の訴えには、取消訴訟と同様に出訴期間の制限がある。
不作為の違法確認の訴えは、申請をしていない利害関係のある第三者も提起することができる。
無効等確認の訴えは、現在の法律関係に関する訴えによって目的を達することができる場合でも提起できる。
不作為の違法確認訴訟で違法が確認されると、裁判所は行政庁に対し一定の処分をすべき旨を命ずる。
まとめ
- 無効等確認の訴え(3条4項)=出訴期間の制限なし・重大明白な瑕疵・原告適格に補充性(36条)。
- 不作為の違法確認の訴え(3条5項)=申請をした者のみ・相当の期間・違法確認どまり(義務付けと併合)。
- いずれも取消訴訟との違い(出訴期間・原告適格・判決の効力)で問われる。
行政訴訟の全体像は行政事件訴訟の類型、取消訴訟の要件は取消訴訟の訴訟要件、義務付け・差止めは義務付け訴訟と差止め訴訟の違いで解説しています。行政法の全体像は行政法とは?全体像でどうぞ。
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