
募集株式の発行は、会社が新たに株式を発行して資金を調達する手続(新株発行)です。受験生が落とすのは、①募集事項の決定機関を公開会社と非公開会社で逆に覚える、②有利発行でも取締役会で足りると誤る、の2点。決定機関と有利発行、差止め・無効の訴えを、○×で整理します。
この記事の要点
- 公開会社=原則取締役会決議で募集事項を決定(機動的な資金調達)
- 非公開会社=原則株主総会の特別決議(既存株主の持株比率を保護)
- 有利発行(特に有利な払込金額)=公開会社でも株主総会の特別決議が必要
- 瑕疵への対応=差止め(210条)・新株発行無効の訴え(828条)
募集株式の発行とは
会社が、株式を引き受ける者を募集して新たに株式を発行し(または自己株式を処分し)、資金を調達する手続です。「新株発行」とも呼ばれます。
募集事項の決定機関(公開会社と非公開会社)
誰が募集事項(発行数・払込金額など)を決めるかが、会社の種類で異なります。
| 公開会社 | 非公開会社 | |
|---|---|---|
| 原則の決定機関 | 取締役会 | 株主総会の特別決議 |
| 趣旨 | 機動的な資金調達 | 既存株主の持株比率の保護 |
非公開会社では、新株発行で既存株主の持株比率が下がることの影響が大きいため、株主総会(特別決議)で決めるのが原則です。
有利発行(特に有利な払込金額)
払込金額が引受人にとって特に有利な金額である場合(有利発行)は、公開会社であっても株主総会の特別決議が必要です。取締役は、株主総会で、その払込金額で募集する必要がある理由を説明しなければなりません。
ソクのひとこと
発行の瑕疵への対応:差止めと無効の訴え
- 募集株式発行の差止め(210条):法令・定款に違反する発行、または著しく不公正な方法による発行で、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は発行の差止めを請求できます。
- 新株発行無効の訴え(828条1項2号):発行の無効は訴えをもってのみ主張でき、提訴期間は、公開会社では効力発生日から6か月以内(非公開会社は1年以内)です。
○×一問一答で総点検
○か✕を選ぶと、正誤と解説が表示されます。まずは自分で答えてみましょう(アウトプット練習)。
公開会社では、募集株式の募集事項の決定は、原則として株主総会の特別決議による。
非公開会社では、募集株式の募集事項の決定は、原則として株主総会の特別決議による。
引受人に特に有利な払込金額で募集株式を発行する場合には、公開会社であっても株主総会の特別決議が必要である。
募集株式の発行が著しく不公正な方法で行われ、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は発行の差止めを請求できる。
まとめ
- 募集事項の決定は、公開会社=取締役会/非公開会社=株主総会の特別決議が原則。
- 有利発行は公開会社でも株主総会の特別決議(取締役の理由説明)。
- 瑕疵には差止め(210条)と無効の訴え(828条・公開は6か月)で対応。
株式と株主の権利は株式と株主の権利、株主総会の決議は株主総会の決議要件、機関は株式会社の機関で解説しています。商法の全体像は商法とは?会社法の全体像でどうぞ。
募集株式の発行は「決定機関」「有利発行」を○×で回すと定着します。ソクトケは無料で人権・行政手続法・民法総則から始められ、商法など全科目はプレミアムで○×演習できます。無料で始める


