
当事者訴訟は、行政庁の処分を直接争う抗告訴訟とは異なり、対等な当事者どうしが公法上の争いをする訴訟です(4条)。受験生が落とすのは、①当事者訴訟を抗告訴訟の一種と誤る、②形式的当事者訴訟と実質的当事者訴訟の具体例を取り違える、の2点。2つの型を、代表例つき○×で整理します。
この記事の要点
- 当事者訴訟(4条)=対等な当事者間の公法上の法律関係に関する訴訟。主観訴訟だが抗告訴訟とは別
- 形式的当事者訴訟=法令の規定で当事者の一方を被告とする(例:土地収用の損失補償額・土地収用法133条)
- 実質的当事者訴訟=公法上の法律関係の確認等(例:公務員の地位確認、憲法29条3項の損失補償請求)
当事者訴訟とは(4条)
当事者訴訟は、対等な当事者間の公法上の法律関係に関する訴訟です。行政庁の処分を直接争う抗告訴訟と違い、権利主体どうしが対等な立場で争います。国民の権利利益の保護を目的とする主観訴訟の一つです(もう一つの主観訴訟が抗告訴訟)。
形式的当事者訴訟
処分・裁決に関する訴訟ですが、法令の規定により、その法律関係の当事者の一方を被告とするものです。
- 例:土地収用の損失補償額を争う訴え(土地収用法133条)。収用裁決そのものを争うのではなく、補償額について、起業者と土地所有者が当事者として争います。
実質的当事者訴訟
公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟です。
- 例:公務員の地位確認訴訟、憲法29条3項を根拠とする損失補償請求訴訟、在外邦人の選挙権確認訴訟(在外日本人選挙権訴訟)など。
ソクのひとこと
○×一問一答で総点検
○か✕を選ぶと、正誤と解説が表示されます。まずは自分で答えてみましょう(アウトプット練習)。
当事者訴訟は、行政庁の処分を直接争う抗告訴訟の一種である。
土地収用に伴う損失補償の額を争う訴えは、形式的当事者訴訟である。
公務員の地位の確認を求める訴えは、実質的当事者訴訟である。
当事者訴訟は、自己の法律上の利益にかかわらず提起する客観訴訟である。
まとめ
- 当事者訴訟(4条)=対等な当事者間の公法上の争い。抗告訴訟とは別の主観訴訟。
- 形式的当事者訴訟=法令で当事者の一方を被告(例:土地収用の損失補償額・133条)。
- 実質的当事者訴訟=公法上の法律関係の確認等(例:公務員の地位確認、憲法29条3項の損失補償請求)。
行政訴訟の全体像は行政事件訴訟の類型、無効等確認・不作為の違法確認は無効等確認・不作為の違法確認の訴えで解説しています。行政法の全体像は行政法とは?全体像でどうぞ。
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