
親子と親権は、親族法で改正が多く出題されやすい論点です。実子(嫡出推定・認知)、養子(普通・特別)、親権を、近年の改正(2024年の嫡出推定見直し・懲戒権の削除)まで含めて、図と○×で整理します。
この記事の要点
- 実子=嫡出子(嫡出推定・772条/2024改正)と非嫡出子(認知で父子関係)
- 養子=普通養子(実親との関係継続)/特別養子(実親との関係終了・原則15歳未満)
- 親権=身上監護+財産管理。2022年に懲戒権が削除
実子——嫡出推定と認知
- 嫡出推定(772条):婚姻中に懐胎した子などは夫の子と推定されます。2024年の改正で、婚姻の解消等から300日以内に生まれた子でも、母が前夫以外の男性と再婚した後に生まれた子は、再婚後の夫の子と推定されることになりました。
- 嫡出否認権の拡大(2024年):従来は夫のみに認められていた嫡出否認権が、子・母にも拡大され、出訴期間が1年から3年に伸長されました。
- 認知:婚姻していない男女の子(非嫡出子)は、父の認知によって父子関係が生じます。
養子——普通養子と特別養子
| 普通養子 | 特別養子 | |
|---|---|---|
| 実親との関係 | 継続 | 終了 |
| 成立 | 当事者の合意+届出 | 家庭裁判所の審判 |
| 養子の年齢 | 制限はゆるやか | 原則15歳未満 |
| 目的 | 家の継承など幅広い | 子の福祉(実子に近い保護) |
特別養子は、子の福祉のために実親との関係を断ち、養親との間に実子に近い関係をつくる制度で、家庭裁判所の審判で成立します。
親権
親権は、子の利益のために、身上監護(しつけ・教育など)と財産管理を行う権利義務です(818条)。
- 婚姻中は父母が共同して行使します。
- 離婚するときは、父母の一方を親権者に定めます(819条)。
- かつての懲戒権(子を戒める権利)の規定は、2022年に削除されました。
ソクのひとこと
試験で狙われるひっかけ4選
- 「親権者には、子を戒める懲戒権が認められている」→ ✕: 懲戒権の規定は2022年に削除されました。
- 「特別養子縁組が成立しても、実親との親族関係は終了しない」→ ✕: 特別養子は実親との関係が終了します(普通養子は継続)。
- 「嫡出否認の訴えは、夫のみが提起できる」→ ✕: 2024年改正で子・母にも拡大されました。
- 「婚姻の解消から300日以内に生まれた子は、常に前夫の子と推定される」→ ✕: 母が再婚後に生まれた子は再婚後の夫の子と推定されます(2024改正)。
○×一問一答で総点検
Q1. 婚姻していない父母の子は、父の認知によって父子関係が生じる。
○: 認知により父子関係が発生します。
Q2. 特別養子縁組は、家庭裁判所の審判によって成立する。
○: 普通養子と異なり審判で成立します。
Q3. 親権者は、子を戒めるための懲戒権を有する。
✕: 懲戒権の規定は2022年に削除されました。
Q4. 嫡出否認の訴えは、夫のみが提起することができる。
✕: 2024年改正で子・母にも認められました。
よくある質問(FAQ)
Q. 嫡出推定は2024年にどう変わった? A. 婚姻解消等から300日以内でも、母が前夫以外と再婚後に生まれた子は再婚後の夫の子と推定されます。嫡出否認権も子・母に拡大、出訴期間は3年に伸長されました。
Q. 普通養子と特別養子の違いは? A. 普通養子は実親との関係が続き、特別養子は終了します。特別養子は家裁の審判で成立し、養子は原則15歳未満です。
Q. 親権に懲戒権はある? A. ありません。懲戒権の規定は2022年に削除されました。
まとめ
- 実子=嫡出推定(772条・2024改正)/認知。嫡出否認権は子・母にも拡大(出訴3年)。
- 養子=普通(実親と継続)/特別(終了・原則15歳未満・家裁の審判)。
- 親権=身上監護+財産管理。懲戒権は2022年に削除。
親子・親権は「2024改正(嫡出推定・否認権)」「普通/特別養子の対比」「懲戒権削除」を○×で固めると安定します。民法の全体像は民法とは?全体像で俯瞰できます。あわせて婚姻と離婚もどうぞ。
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