
用益物権は、他人の土地を使用・収益する物権です。地上権・永小作権・地役権・入会権の4種類があり、特に地上権と賃借権の違い、地役権の要役地・承役地が狙われます。比較表と○×で整理します。
この記事の要点
- 用益物権=他人の土地を使用・収益する物権。地上権・永小作権・地役権・入会権の4つ
- 地上権(265)=工作物・竹木所有のため土地を利用/永小作権(270)=耕作・牧畜
- 地役権(280)=自己の土地(要役地)の便益のため、他人の土地(承役地)を利用。付従性・随伴性あり
用益物権の4種類
| 種類 | 条文 | 内容 |
|---|---|---|
| 地上権 | 265条 | 工作物または竹木を所有するため、他人の土地を使用 |
| 永小作権 | 270条 | 小作料を払い、耕作または牧畜のため他人の土地を使用 |
| 地役権 | 280条 | 自己の土地の便益のため、他人の土地を利用(通行・引水など) |
| 入会権 | 263・294条 | 一定地域の住民が山林等を共同利用(慣習による) |
地上権と賃借権——物権か債権か
土地を借りて使う点は似ていますが、地上権は物権、賃借権は債権で、扱いが大きく違います。
| 地上権(物権) | 賃借権(債権) | |
|---|---|---|
| 性質 | 物権 | 債権 |
| 譲渡・転貸 | 自由にできる | 賃貸人の承諾が必要(原則) |
| 登記請求権 | あり | なし(原則) |
| 対抗要件 | 登記 | 登記、または借地借家法の建物登記等 |
物権である地上権の方が、利用者にとって強い権利です。
地役権——要役地と承役地
地役権は、自己の土地(要役地)の便益のために、他人の土地(承役地)を利用する権利です(例:他人の土地を通行する、水を引く)。
- 付従性:要役地の所有権が移ると、地役権も一緒に移る(要役地から切り離して譲渡できない)。
- 通行地役権などが典型例です。
ソクのひとこと
試験で狙われるひっかけ4選
- 「地上権は債権であり、譲渡には土地所有者の承諾が必要である」→ ✕: 地上権は物権で、原則として自由に譲渡できます。
- 「地役権は、承役地の便益のために要役地を利用する権利である」→ ✕: 逆です。要役地の便益のため、承役地を利用します。
- 「永小作権は、耕作または牧畜のために他人の土地を利用する用益物権である」→ ○: 270条のとおりです。
- 「入会権は、慣習に従って一定地域の住民が共同で山林等を利用する権利である」→ ○: 慣習が優先されます。
○×一問一答で総点検
Q1. 用益物権は、他人の土地を使用・収益する物権である。
○: 地上権・永小作権・地役権・入会権の4つです。
Q2. 地上権は物権であり、原則として自由に譲渡することができる。
○: 債権である賃借権との大きな違いです。
Q3. 地役権における要役地とは、便益を提供する(利用される)側の土地である。
✕: 便益を受ける側が要役地、提供する側が承役地です。
Q4. 賃借権の譲渡・転貸は、原則として賃貸人の承諾を要する。
○: 債権である賃借権の特徴です。
よくある質問(FAQ)
Q. 用益物権とは? A. 他人の土地を使用・収益する物権です。地上権・永小作権・地役権・入会権の4種類があります。
Q. 地上権と賃借権の違いは? A. 地上権は物権で自由に譲渡・転貸でき登記請求権もあります。賃借権は債権で、譲渡・転貸に賃貸人の承諾が必要なのが原則です。
Q. 要役地と承役地とは? A. 便益を受ける側が要役地、利用される側が承役地です(地役権)。
まとめ
- 用益物権=地上権・永小作権・地役権・入会権(他人の土地を使用・収益する物権)。
- 地上権(物権)vs 賃借権(債権)=譲渡の自由・登記請求権で差。
- 地役権=要役地の便益のため承役地を利用(付従性あり)。
用益物権は「4種類」「地上権と賃借権の物権/債権の違い」「要役地・承役地」を○×で固めると安定します。民法の全体像は民法とは?全体像で俯瞰できます。あわせて物権変動と対抗要件(177条)、担保物権の種類もどうぞ。
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