
審査請求と取消訴訟の違いは、処分に不服があるときの2つのルートをめぐる頻出論点です。審査請求は行政機関に、取消訴訟は裁判所に。原則としてどちらを選んでもよい(自由選択主義)のがポイント。違いと例外を○×で整理します。
この記事の要点(3行まとめ)
- 審査請求=行政不服審査法に基づき行政機関に不服を申し立てる(簡易迅速・無料・違法+不当を審理)
- 取消訴訟=行政事件訴訟法に基づき裁判所に訴える(違法のみを審理)
- 原則は自由選択主義(どちらでもよい・行訴法8条1項本文)。審査請求前置は個別法に定めがある場合の例外
どちらに不服を言うか
比較表で違いを押さえる
| 審査請求 | 取消訴訟 | |
|---|---|---|
| 根拠法 | 行政不服審査法 | 行政事件訴訟法 |
| 判断する機関 | 行政機関(審査庁) | 裁判所 |
| 審理の対象 | 違法+不当 | 違法のみ |
| 費用・スピード | 無料・簡易迅速 | 手数料・時間がかかる |
| 期間 | 処分を知った日の翌日から3か月(行審法18条) | 処分を知った日から6か月(行訴法14条) |
行政の判断には「違法」(法律違反)と「不当」(違法ではないが妥当でない)があります。裁判所は違法しか審査できませんが、行政機関どうしの審査請求では不当もチェックできる——これが審査請求ならではの強みです。
自由選択主義と審査請求前置
行政事件訴訟法8条1項本文は、処分の取消しの訴えは、審査請求ができる場合でも直ちに提起できるとしています(自由選択主義)。つまり、原則は「審査請求でも取消訴訟でも、好きな方を選べる」。
例外として、個別の法律が「審査請求に対する裁決を経た後でなければ訴訟を提起できない」と定めている場合があり、これを審査請求前置(不服申立前置)といいます(同項ただし書)。あくまで例外で、すべての処分に前置があるわけではありません。
ソクのひとこと
試験で狙われるひっかけ3選
- 「審査請求と取消訴訟は、どちらか一方しか選べない」→ ✕: 原則は自由選択主義で、どちらも選べます。
- 「審査請求では処分の違法性のみを審理する」→ ✕: 不当についても審理できます。
- 「処分を争うには、常に審査請求を経なければならない」→ ✕: 審査請求前置は例外にすぎません。
○×一問一答で総点検
Q1. 処分の取消しを求める場合、法律に特別の定めがない限り、審査請求と取消訴訟のいずれを選択してもよい。
○: 自由選択主義(行訴法8条1項本文)のとおりです。
Q2. 審査請求では、処分の違法性のみならず、その不当性についても審理の対象となる。
○: 行政機関による審査なので、不当も審理できます。
Q3. 審査請求をすることができる処分については、常に審査請求を経た後でなければ取消訴訟を提起できない。
✕: 審査請求前置は個別法が定める例外にすぎません。
まとめ
- 審査請求=行政機関・違法+不当・簡易迅速/取消訴訟=裁判所・違法のみ。
- 原則は自由選択主義(行訴法8条1項本文)。審査請求前置は例外。
- 期間は審査請求3か月/取消訴訟6か月。
あわせて取消しと撤回の違いや公定力・不可争力・不可変更力の違いもどうぞ。救済ルートは「機関・対象・期間」で表にすると一気に整理できます。
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