
審理員は、2016年に施行された改正行政不服審査法で導入された、審査請求の審理を公正にするための仕組みです。処分に関与しない職員が審理し、意見書を作成、審査庁は第三者機関に諮問します。制度の流れを比較表と○×で整理します。
この記事の要点(3行まとめ)
- 審理員=処分に関与しない職員が審査請求を審理する(9条)。公正性の確保が目的
- 審理を終えると審理員意見書を作成し審査庁に提出(42条)
- 審査庁は(原則)行政不服審査会に諮問(43条)→答申→裁決
結論:審査請求を「中立の目」で審理する仕組み
2014年(平成26年)改正・2016年(平成28年)施行の行政不服審査法で、審査請求の手続が大きく見直されました。柱が審理員制度と行政不服審査会への諮問です。
かつては処分をした部署が自ら審理するため公正さに疑問がありました。そこで、処分に関与しなかった職員=審理員が審理を主宰し、さらに第三者機関のチェックを入れることで、透明性・公正性を高めています。
審査請求の流れ——フローで把握
各段階を一覧で整理
| 段階 | 担当 | 根拠 |
|---|---|---|
| 審理員の指名 | 審査庁(処分に関与しない職員を指名) | 9条 |
| 審理の主宰 | 審理員 | — |
| 審理員意見書 | 審理員 → 審査庁 | 42条 |
| 諮問 | 審査庁 → 行政不服審査会(原則) | 43条 |
| 裁決 | 審査庁 | — |
審理員とは(中立的に審理する人)
審理員は、審査請求の対象となった処分に関与していない審査庁の職員から指名されます(9条)。審理関係人と協力しながら、簡易迅速かつ公正に審理を進め、終結後に審理員意見書を作成します(42条)。
- ポイントは**「処分をした人と審理する人を分ける」**こと。これで身内びいきを防ぎます。
- ただし裁決を出すのは審査庁であり、審理員意見書には法的な拘束力はありません(尊重はされます)。
行政不服審査会への諮問
審査庁は、審理員意見書の提出を受けると、原則として行政不服審査会(第三者機関)に諮問します(43条)。審査会の答申を踏まえて審査庁が裁決します。
- 諮問が不要な場合もあります(審査請求人が希望しないとき等)。
- 情報公開・個人情報保護に関する不服は、専門の審査会で扱うなどの例外があります。
ソクのひとこと
試験で狙われるひっかけ4選
- 「審理員は、処分を行った担当部署の職員が務める」→ ✕: 処分に関与しない職員が指名されます(9条)。
- 「審理員が審査請求に対する裁決を行う」→ ✕: 裁決は審査庁が行います。
- 「審査庁は審理員意見書に法的に拘束される」→ ✕: 拘束力はなく、尊重されるにとどまります。
- 「行政不服審査会への諮問は一切不要である」→ ✕: 原則は必要です(例外あり・43条)。
○×一問一答で総点検
Q1. 審理員は、審査請求に係る処分に関与しない審査庁の職員から指名される。
○: 公正性を確保するための仕組みです(9条)。
Q2. 審理員は、審理を終えると審理員意見書を作成し、審査庁に提出する。
○: 42条のとおりです。
Q3. 審査庁は、審理員意見書の提出を受けた後、原則として行政不服審査会に諮問する。
○: 43条により、原則として諮問が必要です。
Q4. 審査請求に対する裁決は、審理員が行う。
✕: 裁決を行うのは審査庁です。
よくある質問(FAQ)
Q. 審理員が裁決を出すの? A. いいえ。審理員は審理を主宰し、審理員意見書を作成して審査庁に提出するまでです。裁決を出すのは審査庁です。
Q. 行政不服審査会への諮問は必ず必要? A. 原則として必要ですが、審査請求人が希望しない場合や一定の例外では不要です。第三者機関のチェックで裁決の公正さを高める仕組みです。
Q. 審理員意見書に審査庁は従う義務がある? A. 法的な拘束力はありません。ただし異なる判断をする場合には理由が問われ、実務上は尊重されます。
まとめ
- 審理員=処分に関与しない職員が審理(9条)。審理員意見書を作成(42条)。
- 審査庁は原則行政不服審査会に諮問(43条)→答申→裁決。
- 役割分担は**「審理員=審理と意見/審査庁=裁決」**。
行政不服審査は、流れを**「指名→審理→意見書→諮問→裁決」**の順で○×に落とすと迷いません。あわせて審査請求と取消訴訟の違い、取消訴訟の原告適格と処分性もどうぞ。
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