なぜ学習順序が重要なのか
行政書士試験の合格に必要な学習時間は 600〜1,000時間。 働きながら確保できる時間は限られているため、配点の大きい行政法・民法の2大科目を軸に固めるのが鉄則です。この2科目だけで 188点(全体の約63%)を占めます。なかでも行政法は最大配点で条文知識から得点しやすいため、最初に着手して得点の柱を作るのが効率的です。
配点最大の行政法から着手
公法でつながる憲法を次に
足切りのある基礎知識を取りこぼさない
おすすめの学習順序(6科目)
結論から言うと、行政法 → 憲法 → 民法 → 商法の順に主要科目を進め、基礎知識は並行、基礎法学は直前に確認するのがおすすめです。最大配点の行政法で得点の柱を作り、公法でつながる憲法、私法の基盤である民法へと進みます。
行政法
35% 配分・約 280 時間
最も配点が大きく、合否を左右する得点の柱です。条文の知識で得点できる問題が多く、努力が得点に直結します。だからこそ最初に着手し、早い段階で得点の柱を作ります。
- 行政手続法と行政不服審査法から始める(条文数が少なく取り組みやすい)
- 行政事件訴訟法は類似制度の比較整理がカギ
- 地方自治法は頻出条文に絞って対策する
憲法
15% 配分・約 120 時間
行政法と同じ公法の分野で、考え方がつながります。範囲が狭く、短期間で得点源にしやすいので、行政法の勢いのまま2番目に進めます。
- 人権は判例の事案・争点・結論を正確に押さえる
- 統治機構は国会・内閣・裁判所の条文を暗記
- 多肢選択は判例の穴埋めが頻出
民法
25% 配分・約 200 時間
私法の基盤で、記述式40点と配点も大きい重要科目です。ただし範囲が広く理解に時間がかかるため、行政法・憲法で基礎体力をつけた後に、じっくり腰を据えて取り組みます。
- 総則→物権→債権総論→債権各論→親族相続の順で進める
- 判例の理解が特に重要(最高裁判例を中心に)
- 記述式対策は7月ごろから択一と並行して始める
商法・会社法
10% 配分・約 80 時間
配点は5問20点と多くありませんが、捨て科目にするのは危険。会社法の基本論点に絞って対策すれば3〜4問は確保できます。主要3科目の後に取り組みます。
- 会社法の機関設計(取締役会・監査役等)が最頻出
- 株式の譲渡制限・自己株式も頻出テーマ
- 商法総則は深入りせず、過去問レベルでOK
基礎知識
10% 配分・約 80 時間
令和6年度の改正で「一般知識」から名称変更。足切り(6問以上の正解)があるため無視できません。主要科目と並行しつつ、文章理解・行政書士法等・情報通信に絞って確実に得点します。
- 文章理解3問は全問正解を目指す(得点源)
- 行政書士法・戸籍法・住民基本台帳法など業務関連法令が出題範囲に追加された
- 情報通信・個人情報保護は法改正に注意
基礎法学
5% 配分・約 40 時間
2問8点と配点は最小。直前期に過去問を確認する程度の対策で十分です。深追いは禁物です。
- 法の分類・法源・法の解釈方法を整理する
- 裁判制度の基本用語を確認
- 深入りせず、過去問で出題傾向を把握すればOK
input↔output で周回する
順番が決まったら、各科目は「テキストを完璧にしてから問題へ」ではなく、読んだらすぐ肢別問題集やソクトケの○×で解き、間違えたらテキストに戻る。このinput↔outputの往復を高速で回すのが、最も効率の良い進め方です。
大まかな時期の目安は、〜6月に主要科目を周回、7月ごろから記述対策、9月ごろから直前期(模試)です。1日の時間の作り方は 勉強時間の目安と作り方 で、読むだけにしない学習の質は 独学のアウトプット不足 で解説しています。
時間配分の全体像
800時間(標準的な合格ライン)を6科目に配分すると、以下のようになります。行政法と民法で全体の60%を占めることがわかります。
陥りやすい3つの落とし穴
学習順序を決めても、以下の落とし穴にハマると計画が崩壊します。事前に知っておきましょう。
完璧主義で立ち止まる
1科目目で全範囲を完璧に理解しようとすると、半年経っても次に進めません。6〜7割の理解で先へ進む勇気を持ちましょう。
配点の小さい科目から始める
商法や基礎法学から手をつけると、2大科目(行政法・民法)が後回しになり時間配分が崩壊します。配点を意識した順序を死守しましょう。
全科目に均等配分する
「平等に時間を割こう」は最悪の戦略です。行政法に35%、民法に25%、残り40%を4科目で分けるのが現実解です。
よくある質問
行政書士は何から勉強すべきですか?
配点が最大の行政法からがおすすめです。条文知識で得点しやすく、最初に得点の柱を作れます。次に公法でつながる憲法、続いて民法→商法と進めます。基礎知識は足切りがあるので主要科目と並行して進めましょう。
民法と行政法は、どちらから始めるべきですか?
当サイトは行政法を先に推奨します。最大配点で、条文知識から得点しやすく取り組みやすいためです(法的思考の土台として民法から始める考え方もあります)。いずれにせよ、この2科目を最優先で固めることが合否を分けます。
商法や基礎法学は捨ててもいいですか?
完全には捨てません。商法は頻出論点(機関設計・株式)に絞れば3〜4問は取れます。基礎法学は2問のみなので、直前期に過去問を確認する程度で十分です。配点の小さい科目に時間をかけすぎないことが大切です。
1科目ずつ完璧にしてから次に進むべきですか?
いいえ。1科目を完璧にしてから次へ、では時間が足りません。各科目を6〜7割の理解で先に進め、input↔output(読む→すぐ解く)を回しながら全体を何度も周回するのが効率的です。
ソクトケで実践する
学習順序を決めたら、あとは毎日続けるだけです。ソクトケでは、科目を選んで一問一答を解くだけで、SRS が次の問題と復習タイミングを自動管理します。input↔outputの周回を、そのまま仕組みに乗せられます。
あわせて 勉強時間の目安と作り方 、 暗記のコツ を読むと、1日のスケジュール設計がより具体的になります。